
この記事では「インフラエンジニア学習向けの書籍はどれ?」「どの本から読んだらいいかが分からない」といったあなたの悩みを、現役のインフラエンジニアが回答して解決します。
本記事を読んで学習向けのおすすめ書籍を紹介します。ぜひ参考にしてインフラエンジニア転職に向けて一歩を踏み出しましょう!
下の「この記事の目次」の右側にある表示を押すと、種類ごとに書籍の一覧表示ができるので開いてみてください。
インフラエンジニア概念や基礎知識
インフラエンジニアの教科書
誰もが知るサービスであるLINEの保守運用を行ったエンジニアの体験談や現場の実態が記載されています。インフラエンジニアの仕事内容や必要なスキルについて書かれているため、未経験からインフラエンジニアを目指す方にはうってつけです。
基礎知識やノウハウが網羅的にまとまっているので、インフラエンジニアとはこういう世界なのだというのが見える書籍です。
新人エンジニアのためのインフラ入門
インフラ周りの知識について体系的に学べる書籍です。
サーバ・ネットワーク・構築テスト・バックアップ・セキュリティと広く浅くシンプルに紹介されています。エンジニア経験や知識が全くない方でも読みやすいと思います。
イラスト図解式 この一冊で全部わかるサーバーの基本
サーバーとはなにか、ネットワーク技術とは、サーバー障害やセキュリティ、運用管理はどうやるのかといった、基本部分のポイントを押さえて説明されています。イラスト図解が視覚的にも読みやすく、またページ数も多すぎずちょうど良いバランスです。
サーバー全般の入門書として手元に置いておくとよいでしょう。
絵で見てわかるITインフラの仕組み
ITシステムインフラ仕組みについて多彩なイラストと詳しい解説がなされています。
第4章「インフラを支える理論の基本」や第7章「止めないためのインフラの仕組み」の知識はインフラエンジニアとして環境構築・設計をしていく上で必要不可欠です。ITインフラ全般の流れを学びたい方におすすめです。
どういう仕組みでITサービスが動いているのかよく分かっていない方・まずは理解したいと思っている方に手に取ってもらいたい書籍です。
Linux
新しいLinuxの教科書
Linuxとはいったい何なのか?といった本当の基礎から解説されたLinux入門本です。
未経験からインフラエンジニア転職を希望している方だとLinuxをそもそも知らない方が多いと思います。まずはこういった丁寧に解説された入門書から読み進めていくことをおすすめします。
コマンドラインの紹介やスクリプトの実行例も紹介されており実際に動かしながらLinux学習を進めることができます。タイトル通り教科書として手元に置いておくと安心です。
ネットワーク知識
マスタリングTCP/IP―入門編―
ネットワーク基礎である通信手段「TCP/IP」の学習入門本です。
学習しづらいコンピュータネットワークの概念を豊富な挿絵とたとえ話で体系的に学ぶことができます。ネットワークの教科書と呼べるほどの名著ですので購入して何度も読み返すとよいでしょう。
ネットワークはなぜつながるのか
ブラウザにキーワードを入れて検索した瞬間からサーバーを経由して結果を表示するまでのハードウェアやソフトウェア内で起こっている出来事が解説されています。
基礎知識がないと専門用語でつまづく可能性があるので、ネットワーク基礎周りを勉強したあとに読むとさらに理解が深まる書籍です。
インフラ/ネットワークエンジニアのためのネットワーク技術&設計入門 第2版
システム構成におけるネットワーク構築・設計のノウハウが書かれているため実践寄りの内容になっています。
基本知識を一通り身に着けたあとに設計思想を学ぶのにおすすめです。
ストレージ
IT技術者なら知っておきたい ストレージの原則と技術
ストレージの基礎が網羅された入門書です。
インフラエンジニアであれば、システム管理者の立場としてストレージ全体の知識はしっかりと理解しておく必要があります。
また仮想化・クラウドやビッグデータの解説もあります。今後クラウドサービスは避けて通れないため目を通しておくとよいでしょう。
セキュリティ
図解まるわかり セキュリティのしくみ
図解重視で見開きになっているので初学者におすすめ。
セキュリティ関連知識を広く満遍なく押さえるのに便利。第5章の暗号・署名・証明書はインフラエンジニアには切っても切れない関係なので必ず理解しておきたいところです。
マスタリングTCP/IP 情報セキュリティ編
セキュリティ技術の説明が非常に分かりやすく教科書的な立ち位置。
前述した書籍に比べると深い説明が増えるため、セキュリティ関連の基礎知識が身についてから読むと復習になります。
ゼロトラストネットワーク ―境界防御の限界を超えるためのセキュアなシステム設計
従来のファイアウォール等を使用した境界型のセキュリティとは異なる「ゼロトラスト」というアプローチについて書かれた書籍です。すべてのトラフィックは完全に信用しないいう前提のもとネットワークを構築する知識と概念が学べます。
業界未経験の転職者に 「ゼロトラスト」 について深く問われることはないと思いますが、次世代のセキュリティ概念であることを頭に入れておくと役に立つでしょう。
データベース
おうちで学べるデータベースのきほん
自分のPCでデータベースを構築しながらアーキテクチャと仕組みについて段階的に学べる書籍です。
解説も充実しているため初めてデータベースを学ぶ方にはぴったりです。ある程度この書籍で理解できれば別の書籍を購入してレベルアップするという使い方が良いでしょう。
SQL ゼロからはじめるデータベース操作
データベースを操作するSQLについて書き方から学ぶことができます。
関数やテーブル結合といった基本から、使い方に実はコツがいるWHERE、GROUP、BYなどサブクエリ周りのノウハウも載っているためSQL基本を固めたい方におすすめです。
バージョン管理
改訂2版 わかばちゃんと学ぶ Git使い方入門
多くの企業で使用されているバージョン管理Gitについて説明された入門本です。マンガの導入部分があるため、全くこれまでGitをさわったことない方でも読み進めることができます。
Gitの概念からGithubの使い方など基本的なところから、リバート・リベース・スカッシュ・チェリーピックなど実用的な部分も解説されています。入門本としてちょうどよいボリュームなのでおすすめです。
サルでもわかるGit入門
こちらも一からGitの操作を説明している解説本です。
前半部分は前述している書籍内容と似ていますが、後半にタスク管理サービス「Backlog」との連携した使い方が紹介されている部分が異なります。入門本としてはどちらも優秀ですので気に入った本で学習を進めるとよいでしょう。
コンテナ仮想化技術
Dockerコンテナ開発・環境構築の基本 impress top gearシリーズ
コンテナ仮想化技術を使用した代表的なソフトウェア「Docker」の基本知識や環境構築方法を学ぶことができます。
特に環境構築とコマンド操作部分の解説が非常に丁寧なのでおすすめです。
またコンテナによる開発サイクルとCI/CDを理解しているのとしていないのでは、自動化された環境を構築する上で必須の知識です。インフラエンジニアとして上流工程も目指す方は深く理解しておく必要があります。
Kubernetes完全ガイド 第2版
コンテナを自動管理する「コンテナオーケストレーション」を実現するKubernetesの概念や機能について体系的に分かりやすく解説されています。
Kubernetesは開発・更新が活発で頻繁にアップデートされているため書籍内の情報はすでに使えない箇所もありますが、辞書的な使い方をするのに最適な書籍です。
私もKubernetesによる環境構築をする際に実際に手元に置いていました。
CI/CD
継続的インテグレーション入門
継続的インテグレーション(CI)の概念や、導入することでどういったメリットがあるのか?といった理論に主軸を置いて解説された書籍です。
自動化による効果を最大にするベストプラクティスは環境構築をするエンジニアには理解しておくべきです。
インフラCI実践ガイド Ansible/GitLabを使ったインフラ改善サイクルの実現
Redhat製の構成管理ツール「Ansible」と「Gitlab」を使用した実務的な内容が書かれた書籍です。
インフラCIを使用したインフラシステムと従来型のインフラシステムによる対比による解説が分かりやすいです。
インフラ運用・実務
まんがでわかるLinux シス管系女子
システム管理者としての業務をマンガで解説した内容です。
他サーバーにSSH接続、Vim、シェルスクリプトといった日常業務に使う内容が載っているので、読むと業務イメージがつきやすいのでおすすめです。
この書籍を読んで実例部分を学んでそこから知識を広がるという使い方がよいでしょう。
入門 監視 ―モダンなモニタリングのためのデザインパターン
広く浅く「監視」について考え方が解説されています。
監視1つをするのにも「何を」「何のため」「どうやるのか」によってアプローチ方法は異なります。この書籍を読んで「監視の基本原則」を理解しておきましょう。
システム障害対応の教科書
システム障害への対応ノウハウが網羅的に解説された教科書です。
システム障害対応の定義や、どうしてシステム障害対応を学ぶのか?といったマインド部分に加えて、実際のプロセスごとの対応、ドキュメント、障害対応ができる組織作りとシステム障害対応に関わるすべてが体系化されています。
実際に対応に当たる現場担当者はもちろん、組織上位の方にも1度は目を通してほしいぐらいの良書です。
まとめ
本記事では、 インフラエンジニア学習向けの書籍について紹介しました。
記事の要点をまとめると次の3点です。
- 「インフラエンジニアの教科書」「絵で見てわかるITインフラの仕組み」などでまずはインフラエンジニアそのものを理解する
- 「新しいLinuxの教科書」「まんがでわかるLinux シス管系女子」「マスタリングTCP/IP―入門編―」「図解まるわかり セキュリティのしくみ」などを読んで業務関連の知識をつける
- 余裕があれば追加知識として「Dockerコンテナ開発・環境構築の基本 impress top gearシリーズ」「システム障害対応の教科書」なども読み込んでおく
インフラエンジニア学習に必要な書籍を理解したは転職活動に専念しましょう!またはインフラエンジニア転職に向いた資格情報を調べるのもよいでしょう。
もしまだ「転職エージェント」や「転職サイト」への登録が終わってなければ登録を済ませておきましょう。